
育成就労制度とは
2025年10月29日 10:55
育成就労制度とは、従来の技能実習制度に代わる、外国人人材の育成と確保を目的とした新しい在留資格です。2024年6月に国会で可決・成立し、今後3年以内に施行される予定です。
これまでの技能実習制度は「国際貢献」を目的としていましたが、実態としては人手不足に悩む企業にとっての労働力確保の側面が強くなっていました。そこで、より実態に即した形で、外国人人材が日本でキャリアを築きながら、企業にとっても安定的な人材確保につながるよう、制度が大きく見直されました。
技能実習制度からの主な変更点
育成就労制度では、技能実習制度が抱えていた課題を解決するため、いくつかの大きな変更が加えられています。
目的の変更: 「国際貢献」から「人材育成と人材確保」へ目的が変更されました。これにより、より実態に即した制度運用が期待されます。
転籍(転職)の緩和: 技能実習制度では原則として認められていなかった転籍が、一定の要件を満たすことで可能になります。これにより、外国人材はより良い労働環境を求めて職場を変えることができ、人権保護にもつながります。
特定技能への移行を前提としたキャリアパス: 育成就労制度は、「特定技能1号」へのスムーズな移行を前提として設計されています。育成就労の対象分野は原則として特定技能1号の分野と一致するため、外国人材は日本で長期的なキャリアを描きやすくなります。
監理団体の役割強化: 技能実習制度における監理団体は、「監理支援機関」として役割が強化されます。より中立的な立場で外国人材を支援し、適切な労働環境の確保に努めます。
日本語能力要件の追加: 育成就労を始めるにあたり、一定の日本語能力が求められます。
企業側のメリット・デメリット
育成就労制度の導入は、企業側にもメリットとデメリットの両方をもたらします。
メリット:
長期的な人材確保: 特定技能への移行を前提としているため、最長で8年間(育成就労3年+特定技能1号5年)の雇用が可能になります。
即戦力人材の育成: 育成就労計画に基づき、自社で必要とするスキルを持った人材を育成できます。
受入れ分野の拡大: 特定技能の分野と一致するため、これまで技能実習では対象外だった分野でも受入れが可能になります。
デメリット:
受入れコストの増加: 監理支援機関への委託費や、外国人材への教育・支援にかかる費用が増加する可能性があります。
転籍による人材流出のリスク: 転籍が緩和されることで、育成した人材が他社へ流出するリスクがあります。
日本語教育の負担: 受入れ企業側にも、外国人材への日本語教育の負担が求められます。
まとめ
育成就労制度は、日本の人手不足という社会課題に対応しつつ、外国人材の人権にも配慮した、より現代的な制度と言えるでしょう。企業にとっては、外国人材の定着支援がこれまで以上に重要になります。
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育成就労制度について、より詳しく知りたい、自社での受入れを検討したいという企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。